新型コロナウイルスの影響で卒論発表が Zoom で開催されることとなり, 従来研究室の学生が行っていたタイムキーパーも Zoom 上で行うことになりました.
ブラウザ上にTime Keeperを表示させ, その画面と音を仮想カメラ/マイクとして Zoom 上に流し込む形式にしました.
行ったことはA virtual webcam - Getkeyの内容とほぼ同じですが, 備忘録として書き留めておきます.
必要ソフトのインストールと起動
まず以下のソフトをインストールします.
sudo pacman -S ffmpeg pavucontrol linux-headers v4l2loopback-dkms
次に仮想カメラと仮想マイクを起動します.1
sudo modprobe v4l2loopback
sudo modprobe snd-aloop
仮想カメラの起動
まず v4l2-ctl --list-devices
で起動した仮想カメラを確認します.
私の環境では以下のようになりました.
Dummy video device (0x0000) (platform:v4l2loopback-000):
/dev/video2
HD Pro Webcam C920 (usb-0000:0b:00.1-5):
/dev/video0
/dev/video1
/dev/video2
が仮想カメラのデバイスとわかったので, ffmpeg でスクリーンをキャプチャして流し込みます.
ffmpeg -f x11grab -s 1920x1080 -i $DISPLAY+0,0 -vf format=pix_fmts=yuv420p -f v4l2 /dev/video2
仮想マイクの起動
最初にブラウザの音声を「内部オーディオ アナログステレオ」に出力させます.
pavucontrol
を起動し再生タブを開きます.
一時的にブラウザから音を鳴らし, 出力先を「内部オーディオ アナログステレオ」に変更します.
次に仮想的なスピーカへの出力を仮想的なマイクへの入力にループさせます.2
cat /proc/asound/cards
でサウンドカードを確認します.
私の環境では以下のようになりました.
0 [NVidia ]: HDA-Intel - HDA NVidia
HDA NVidia at 0xf7080000 irq 109
1 [Generic ]: HDA-Intel - HD-Audio Generic
HD-Audio Generic at 0xf7b00000 irq 111
2 [C920 ]: USB-Audio - HD Pro Webcam C920
HD Pro Webcam C920 at usb-0000:0b:00.1-5, high speed
3 [S5 ]: USB-Audio - SteelSeries Arctis 5
SteelSeries SteelSeries Arctis 5 at usb-0000:0b:00.3-4, full speed
4 [Loopback ]: Loopback - Loopback
Loopback 1
4 番が仮想マイクになっているので, ffmpeg でループさせます.
ffmpeg -f alsa -i hw:4,1 -f wav -f alsa hw:4,1
Zoom 設定
あとは Zoom 側でカメラとして「Dummy video device」を選択し, マイクとして「内部オーディオ アナログステレオ」を選択すれば完了です.
その他のビデオ会議ソフト
Zoom 以外のソフトの場合, ffmpeg を用いずに pulse audio の機能で仮想マイクを作ることができます.
pavucontrol
の録音タブから入力デバイスを「Monitor of 内部オーディオ アナログステレオ」にすれば ffmpeg でループさせる必要はなくなります.
Zoom の場合は上述の操作は反映されませんが, Chromium 上で動く Google Meet の場合はこの操作で問題ありません.
一方 Chromium は v4l2loopback に追加のパラメータを渡す必要があるようなので注意が必要です. 3
参考文献
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このやり方では再起動するたびに
modprobe
で起動する必要が有ります. ↩︎ -
適切に設定すれば ffmpeg を使わずにループできそうな気がしますが, 私にはわかりませんでした. ↩︎
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Cannot see the v4l2loopback using google-chrome or chromium · Issue #78 · umlaeute/v4l2loopback ↩︎