ABUロボコンとは
Asia-Pacific Broadcasting Unionが主催するロボコンです. ルールはNHK学生ロボコンとほぼ同じです. NHK学生ロボコンは日本予選という立ち位置です.
国内予選を勝ち抜いて来た国もあれば, そもそも予選すらなくどっかの大学のチームが出場するって感じの国もあります. なので上下の差が結構あります.
その中でも強豪なのが中国とベトナムです. 日本はその次くらいなのかなと.
2017年度のルール
ABU ROBOCON公式サイト1にルールは乗っています. あと簡単なPVもあります.2
ようは, フリスビーを発射させてポールに載っけるルールです.
ただこのフリスビーが曲者で, 工業製品ではなく幼児用のおもちゃなので精度が全く無いのです. 投げるたびに落下地点が変わってつらい….
結果
日本からはNHK学生ロボコン2017で優勝した東工大のMaquinistaと準優勝の東大のRoboTechが出場しました.
RoboTechはワイルドカードで決勝リーグ進出なるもマレーシアのマレーシア工科大学のチームに敗北してベスト8になりました. Maquinistaは順調に勝ち進むもベトナムのラクホン大学に敗北しベスト4になりました.
参加して思ったこと
言い訳がましいことと, 僕がこんなこと書いてもいいのかってことがありますがご了承ください.
私は何をしたいのか
これはABUロボコンの事じゃなくてロボコン自体のことですが, 技術力よりも機体の作り込みや練習量, 加工人員, 対応力が勝敗を大きく分けるのだなと思いました. ルールは毎年代わり, ロボット製作するのは基本は学部生なわけで, そんなに理論的なことを詰める余裕も能力もないわけです. 学部で習った知識は実システムの非線形性に打ちのめされて, 結局職人になったほうが強かったりするわけです.
またいろいろなアイデアを試すにはそれだけの人材が必要なわけで数の暴力で殴ったほうが強いに決まっています. それと1年間という限られた時間で試作から実機製作までしなければならないので, 練習時間や練習場所が潤沢に確保できている方が強いです.
あとは本番のフィールドや付属物って練習時とは全く違うわけで, テストランから本番までの1日で問題を解消する対応力も求められるわけです. テストランで全然うまく言ってなかった大学が実際の試合では化けることも多々あるわけです.
あとは運も重要ですよね. トーナメントは1回負ければ敗退するわけで, どの相手に当たるかとコンディションはどうかで多くが決まります.
さて, 上に記した能力で戦うことが本当に求めているものですかって話です. そりゃ大会なんだから対応力とか練習量とかが重要になるのはわかりますけど, そういう舞台で戦いたいのかって言うとまた疑問なわけですよね. ロボコン自体をしたい人はいいのかもしれないですが, 焦点がその近傍ではありつつも同一ではない人からするとやっぱもやもやするところがあるわけです.
数の暴力で殴ると強い, 練習量で殴ると強いっていうのは浪漫にかけるものがあるし非常な現実ってものを感じるしなんだかなぁという思いです.
NHK学生ロボコン/ABUロボコンとアカデミック
NHK学生ロボコンとかABUロボコンって国に準ずる放送機関がテレビで流すわけで相当宣伝力があるわけです. となると大学の宣伝のために利用しようとするところも出るわけです. 日本ならこれに鳥人間コンテストとかも合わさって, 世界的に見ればあと学生フォーミュラとかも合わさって技術系の宣伝大会はいくつか存在します.
大学自体の知名度がないところは, 活動場所や資金などをそれなりに与えていい成果を出させて大学の知名度をあげようと画策するわけです. 日本国内でも世界を見てもこういう大学はあるわけです. 一方で既にに知名度があって学生の志願者もそこそこいいような大学は, そこに支援しなくていいわけです.
大学の思惑を背景に背負いながら大会が行われるわけで, どういったチームが勝ちやすくなるかっていうのは自然とわかるでしょう. 特に技術的差が結果に影響しにくい大会だとね….
その思惑が行き過ぎると, 1年間ロボコンだけやってれば他の講義を履修せずにいてもなんとかなるような事も起きるわけです. それもそれでどうなのかって思いますけどね. 大学で望まれていることってなんだろうみたいな話にもなるわけです.
さてこういった宣伝大会に興味を示さない大学は一体どこに興味を示しているかというとアカデミックの場なわけですよね. サークルなんかより研究の方に視線が向いているわけです.
勿論それは大学の役割としては基本的には正しいわけです. でも技術系サークルに所属する1部員からみると文句が言いたくなるわけです.
興味の厳選は実際のものつくりから生まれることが多いわけですし, 研究室に所属する前はそんなアカデミックな世界に入り込むのは困難ですし, 高度に抽象化/分業化された世界よりも実際に動くものを数人から数10人くらいで作ったほうが達成感も違いますし….
とはいえ大学も他サークルとの公平性の問題や, そもそもサークル活動にそんなに興味が無い事もあり技術系サークルの待遇は悪いわけです. めう.
一方で, サークル活動に興味のない大学を選んだことが失敗と思っているのかというとそうではありません. ロボコンみたいなことがやりたいんだったら, 大学に入らず町工場にでも就職すればよかったわけです. 学術的な事を, 研究をしてみたいなぁみたいな思いはあって, でもその手前のほうに実際のものつくりもしてみたいなぁという思いがあるわけです.
理想の世界は無いんだなぁと. にゃ〜ん.
結論
現実は厳しい.